皮膚むしり症を克服した私の体験 〜「やめたいのにやめられない」から抜け出すまで〜

皮膚むしり症をご存知ですか?

ご縁の無い方には分からないかもしれません。
でも真剣に悩んでいる人がいます。
MDSマニュアルにはこう書かれています。

「皮膚むしり症(スキンピッキング)」

気づくと指先で皮膚を触ってしまう。
かさぶたやささくれをむしってしまう。
やめたいと思っているのに、どうしてもやめられない。

傷ができて痛みがあっても、見た目が気になっても、無意識に手が伸びてしまう。

皮膚むしり症は、医学的には精神疾患の診断基準であるDSM-5では「強迫症および関連症群」の一つとして位置づけられています。👉リンク

「意思が弱いからやめられない」のではありません。

本人も苦しみながら、「どうしたらやめられるのだろう」と悩んでいることが多い症状です。

実は私も皮膚むしり症でした


実は私自身も、幼少期から数年前まで皮膚むしり症でした。

指先の皮膚をむしることが習慣になっていて、気づけばいつも触っていました。

「もうやめよう。」

何度そう思っても、気づけばまたむしってしまう。

そんな状態が長く続いていました。

周りの人の指先への視線が辛いし恥ずかしい

私は何十回も「もうやめよう」と決意しました。

それでもやめられませんでした。

だから、今やめられずに苦しんでいる方の気持ちは、とてもよく分かります。

自分を責め続けるよりも、「なぜ私はむしってしまうのだろう」と心に目を向けることが、私にとっては変化の始まりでした。

現在はむしることはなくなり、セラピストとして施術の仕事ができるようになっています。

今回は、私がどのような経緯で克服していったのかをお話しします。

克服までの経緯① 認知行動療法で「きっかけ」を知る

10年以上前、Twitter(現在のX)で皮膚むしり症を克服したい人たちとつながり、情報交換をしていました。

そこで知ったのが認知行動療法です。

私が実践したのは、

  • 皮膚をむしる直前はどんな状況だったか
  • 何をしていたか
  • どんな気持ちだったか

を記録し、無意識のパターンを見つける方法でした。

記録を続けていると、私にはある共通点があることに気づきました。

例えば、

  • 映画やドラマを見ている時
  • 車を運転している時
  • 誰かの話を聞いている時

こうした場面で、無意識に皮膚をむしることが多かったのです。

当時は「状況」は分かっても、「なぜその状況でむしるのか」までは分かりませんでした。

克服までの経緯② 「我慢している私」に気づく

数年前、かの有名なゲシュタルト療法の巨匠 百武さんのワークを受けたことがあります。

テーマは皮膚むしり症ではなく別の悩みでした。

セッション中、無意識に指を触っている私を見て、百武さんから

「その動きを続けながら、指が何と言っているのか感じてみてください。」

と言われました。

そのとき浮かんできた言葉は、

「我慢、我慢。」

でした。

私は、我慢している時ほど皮膚をむしっていたのです。

そのセッションでは「我慢」の感情そのものを扱うところまでは進みませんでした。

そのため皮膚むしり症自体は改善しませんでしたが、大きな気づきがありました。

それまで私は「どんな場面でむしるか」に意識を向けていました。

でも本当に大切だったのは、「どんな心理状態の時にむしっているのか」を知ることだったのです。

克服までの経緯③ 感情と向き合う中で自然と変化していった

その後、私はRASに基づく感情消化セッションを何度も受けました。

皮膚むしり症も何度かテーマとして扱ってもらいました。

そこで見えてきたのは、

「存在したくない」

という、とても深い信じ込みでした。

私の場合、幼少期からの体験の中で、

「ありのままの自分では存在してはいけない。」

そんな感覚を抱えていたように思います。

自己否定。

自己価値の低さ。

現状を否定する気持ち。

そうした感情と少しずつ向き合い、消化していく中で、ある日ふと気づきました。

「あれ?最近、皮膚をむしっていない。」

「やめよう」と頑張っていたわけではありません。

気づいたら、自然とむしることがなくなっていたのです。

原因は人それぞれ違う

もちろん、これはあくまで私自身の体験です。

皮膚むしり症の原因は一人ひとり異なります。

ストレスや不安がきっかけになる人もいれば、退屈な時間や集中している時に無意識に起こる人もいます。

そのため、「これをすれば必ず治る」という方法はありません。

ただ、私自身は

「やめよう」と皮膚だけを見続けるよりも、心の状態に目を向けることが大きな転機になりました。

今、悩んでいるあなたへ

もし今、

「またむしってしまった…」

と自分を責めているなら、まず知ってほしいことがあります。

あなたの意思が弱いからではありません。

長い間、心や身体が何かを伝えようとしてきた結果なのかもしれません。

私は長年悩みましたが、克服することができました。

だからこそ、今苦しんでいる方にも、「変わる可能性はある」ということを伝えたいと思っています。

一人で抱え込まず、自分に合った方法を探しながら、少しずつ心と身体の声に耳を傾けてみてください。

その積み重ねが、変化への第一歩になるかもしれません。

私が行っている心理セッションでは、原因を決めつけることなく、その方の心の状態を一緒に整理していきます。

お読みくださりありがとうございました。


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