心のことに興味を持ち始めると、最初によく耳にするのが「エゴ」や「自我」という言葉です。
でも、「エゴって何?」と聞かれると、最初はよく分かりませんよね。
実は私もそうでした。
それは、エゴの声と、本当の自分の声との違いが分からなかったからです。
エゴの声は、とても厳しい
私にとってエゴは、まるで職場の厳しい上司のような存在です。
「これをやらないと、みんなに迷惑がかかるよ。」
「早くしないと大変なことになるよ。」
「もっと頑張らなきゃ。」
そんなふうに、不安や焦りを使って行動させようとします。
もちろん、エゴは悪意があってそうしているわけではありません。
自分を守ろうとする防衛反応として働いていることも多いのです。
本当の自分の声は、とても静かで優しい
一方で、本当の自分の声は驚くほど穏やかです。
「大丈夫。」
「よく頑張ってきたね。」
「そのままのあなたでいいよ。」
良い悪いの判断ではなく、ありのままを認めてくれるような感覚があります。
でも、その声はとても静かです。
だからこそ、エゴの大きな声にかき消されてしまい、気づきにくいのかもしれません。
私はエゴそのものだと思っていました
以前の私は、いつもエゴの声に振り回されていました。
恐れや不安の沼にどっぷり浸かり、「これが自分なんだ」と本気で思っていました。
でも今は、あの厳しく騒がしかった声はほとんど聞こえなくなり、とても穏やかな毎日を過ごしています。
エゴは思考という薪で大きくなる
今振り返ると、エゴの声が大きかった頃は、炎に薪を次々とくべているような状態でした。
私にとって、その薪とは「思考」です。
問題の原因を探し続ける。
解決策を考え続ける。
相手の気持ちを何度も想像する。
過去を何度も思い返す。
未来を心配し続ける。
そうして考えれば考えるほど、不安という炎は大きくなっていきました。
まずやることは、薪をくべるのをやめること
エゴを無理に消そうとする前に、まずは思考を少し休ませてあげること。
私はそれが大切だと感じています。
ゆっくり呼吸をする。
身体の感覚に意識を向ける。
足の裏や手の温かさを感じてみる。
頭の中ではなく、「今、この身体」に戻ってくる時間をつくることです。
近年では、瞑想やマインドフルネスによって注意の向け方や脳の働き方が変化し、ストレスの軽減や集中力の向上につながることが、多くの研究で報告されています。
神経回路には「よく使う回路ほど強化されやすい」という性質があります。
だからこそ、思考ばかり使うのではなく、身体の感覚を感じる時間を増やしていくことにも意味があるのだと思います。
私は「考えなさい」と育てられました
子どもの頃、私はよくこう言われました。
「自分で考えなさい。」
「考えないと馬鹿になるよ。」
だから、考え続けることが正しいことだと信じていました。
でも今は、何もしない時間や、ぼんやりする時間、瞑想する時間も同じくらい大切だと感じています。
頭を休ませることで、かえって頭がクリアになった経験を何度もしてきました。
エゴは敵ではありません
ここまで読むと、エゴは悪者のように感じるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
エゴを消そうとしても、消えるものではありません。
想像してみてください。
エゴが3歳くらいの小さな子どもだったらどうでしょう。
「ピンクの象を絶対に思い浮かべちゃダメ!」
そう言われると、かえってピンクの象を思い浮かべてしまいますよね。
エゴもそれと似ています。
感情を無視したり、欲求や想いを無理に消そうとすればするほど、駄々をこねたりいじけたりと、存在感を増してしまうことがあります。
だから私は、そこにある感情に寄り添い、これまで自分を守ってくれたことに「ありがとう」と伝えながら、少しずつ折り合いをつけていくことが大切だと思っています。
不完全な自分を愛するということ
覚醒した人や悟りを開いたと言われる人たちを見ていると、共通していることがあります。
それは、自分の弱さや不完全さを否定していないこと。
むしろ、それも含めて受け入れているように感じます。
完璧になることではなく、不完全な自分を愛せること。
そこに、本当の自由があるのかもしれません。
エゴも、本当の自分も、大切な自分
エゴと本当の自分。
陰と陽。
どちらかを消すのではなく、どちらも受け入れながら生きていく。
それが「統合」ということなのかもしれません。
この身体を通して、良いことも、思い通りにいかないことも含めて、人生という一度きりの旅を楽しんでいけたら素敵ですね。
お読みくださりありがとうございました。
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